BIOGRAPHY

ヤノベケンジ

プロフィール

1965:大阪府生まれ
1989:ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(イギリス・ロンドン)交換留学
1991:京都市立芸術大学大学院美術研究科 修了
1994–1997:ドイツ・ベルリンに滞在
2008–現在:京都芸術大学教授 兼 ウルトラファクトリー・ディレクター

1990 年、隔離タンクの中で瞑想する体験型の作品《タンキング・マシーン》でデビュー。1990年初頭より、「現代社会におけるサヴァイヴァル」をテーマに実機能のある大型機械彫刻を制作。創作の原点は幼少期の遊び場であった大阪万博会場跡地の「未来の廃墟」。ユーモラスな形態に社会的メッセージを込めた作品群は国内外で高い評価を得る。

1997 年より、放射線感知服《アトムスーツ》を身にまといチェルノービリ(チェルノブイリ)や大阪万博会場跡地を訪れる《アトムスーツ・プロジェクト》を敢行(〜2003年)。21 世紀の幕開けとともに、制作テーマを「リヴァイヴァル」へと移行。2003 年、国立国際美術館(大阪万博会場跡地)で集大成的な個展「メガロマニア」を行う。

2004 年より、実父の腹話術人形「トらやん」をキャラクターとするシリーズを開始。2004–05 年、金沢21 世紀美術館・プロジェクト工房にて滞在制作「子供都市計画」を行い、シンボルパビリオンとして《ジャイアント・トらやん》を制作。2009 年「水都大阪2009」では大阪市内の河川をアート船《ラッキードラゴン》で巡航するプロジェクトを実施し、大阪文化賞を受賞する。

2011 年東日本大震災後、希望のモニュメント《サン・チャイルド》を制作し、国内外で巡回。3 体のうち1 体が茨木市(大阪)に恒久設置される(2012 年)。2013 年、ミラーボール型作品《スター・アンガー》と、ビートたけしと共同制作した《アンガー・フロム・ザ・ボトム》を「瀬戸内国際芸術祭」で展示(後に恒久設置)。2015 年、阪神淡路大震災から20 年の節目に兵庫県立美術館前に《サン・シスター》が恒久設置される。

2017年、福を運ぶ旅の守り神《SHIP’S CAT》シリーズの制作を開始。博多を皮切りに、鎌倉、京都、高松、広島、上海で恒久設置される他、2017年「重陽の芸術祭」(福島)、2018 年「SHIP’S CAT」展(パリ)、2019 年瀬戸内国際芸術祭連携事業「祝祭」(高松)に出展。

2019 年「照隅祭」にて、比叡山延暦寺のにない堂前に、地球環境の悪化や人類の分断・対立などから人々を守る守護獣《KOMAINU ―Guardian Beasts―》」を奉納展示。2020 年4月、新型コロナウイルス感染症の終息を願い、京都芸術大学門前に再展示する。

2021 年、大阪中之島美術館の開館に際して制作した《SHIP’S CAT (Muse)》が恒久設置される。

2024年、生命の旅をテーマとする巨大インスタレーション《BIG CAT BANG》をGIZA SIX 中央吹き抜けで展示する。

美術の起源や存在意義を問い、環境と相互作用をもたらす作品を制作している。

主な個展

2024「太郎と猫と太陽と」岡本太郎記念館、東京
         「BIG CAT BANG」GINZA SIX、東京
2023「船仔貓 SHIP’S CAT in Pingtung」屏東海口港 看海美術館、屏東、台湾
         「SHIP’S CAT展」阪急うめだギャラリー、祝祭広場、大阪
2021「サン・シスター(リバース)」大原美術館 新児島館(仮称)、岡山
         「タンキング・マシーン・リバース 90年代のヤノベケンジ展」MtK Contemporary Art、京都
2019「SHIP’S CAT+kame3 2019祝祭」高松丸亀町商店街、香川
2016「FUKUSHIMA WORKS」ギャラリーオフグリッド、福島
         「シネマタイズ」高松市美術館、香川
2011 「TARO100祭 ヤノベケンジ展:太陽の子・太郎の子」岡本太郎記念館、東京
2010「Mythos」入善町下山芸術の森 発電所美術館、富山
         「平成22年春の有隣荘特別公開 ヤノベケンジ 幻燈夜会」大原美術館 有隣荘、岡山
2009「水都大阪2009:トらやんの大冒険」大阪市役所、府立中之島図書館、中之島公園ローズポート、京阪電車なにわ橋駅アートエリアB1、名村造船所跡地 他、大阪
         「ウルトラ」豊田市美術館、愛知
2007「トらやんの世界」鹿児島県霧島アートの森、鹿児島
2005「キンダガルテン」豊田市美術館、愛知
2003「メガロマニア」国立国際美術館、大阪
2002「タイムトラベル・ダブルサイクル・プロジェクト」イッセイミヤケ フェット/MDS|G、東京
1998「ルナ・プロジェクト」キリンアートスペース原宿、東京/ KPO キリンプラザ大阪、大阪 他巡回
1997「Survival System Train and Other Sculpture by Kenji Yanobe」センター・フォー・ジ・アーツ・イェルバ・ブエナ・ガーデンズ、サンフランシスコ、アメリカ 他
1992「妄想砦のヤノベケンジ」 水戸芸術館、茨城
1991「ヤノベケンジの奇妙な生活」 KPO キリンプラザ大阪、大阪
1990「タンキング・マシーン」 アートスペース虹、京都

主なグループ展

2020「KYOTO STEAM」京都市京セラ美術館、京都
         「福島ビエンナーレ風月の芸術祭 in 白河」白河小峰城、福島
2019「照偶祭」比叡山延暦寺にない堂、滋賀
         「パレルゴン:1980 年代、90 年代の日本の美術」BLUM & POE、ロサンゼルス、アメリカ
2017「SHIP’S CAT」ルーヴル美術館別館カルーゼル・デュ・ルーヴル、パリ、フランス
         「JAPANORAMA-New Vision on Art Since 1970」ポンピドゥ・センター・メス、フランス
         「重陽の芸術祭」二本松城(霞ヶ城)本丸跡、福島
2016「福島ビエンナーレ -氣-」二本松城(霞ヶ城)天守閣、福島
2015「琳派400 年記念祭 パンテオン-神々の饗宴-」京都府立植物園、京都
2014「京都国際映画祭 アートイベント」京都市役所前広場、京都
         「福島現代美術ビエンナーレ -氣-」JA 会津いいで喜多方駅前 石蔵、福島
         「京都府美術工芸新鋭展」[特別出品]  京都府京都文化博物館 別館ホール、京都
2013「Ohara Contemporary」大原美術館、岡山
         「瀬戸内国際芸術祭」小豆島、香川
         「あいちトリエンナーレ 2013」愛知県美術館、愛知
2012「NAMURA ART MEETING」名村造船所跡地、大阪
         「3・11 とアーティスト:進行形の記録」水戸芸術館現代美術センター、茨城
         「福島現代美術ビエンナーレ–SORA–」福島空港、福島
         「ARSENALE2012 キエフビエンナーレ」 キエフ、ウクライナ
         「Double Vision: Contemporary Art from Japan」モスクワ市近代美術館、ロシア/ハイファ美術館、イスラエル
2010「胸騒ぎの夏休み」福島県立美術館、福島
2008「Heavy Light」ICP、NY、アメリカ
2005「リトルボーイ 爆発する日本のサブカルチャー・アート」ジャパン・ソサエティ、NY、アメリカ
2004「六本木クロッシング」森美術館、東京
2002「EXPOSE 2002 夢の彼方へ」KPO キリンプラザ大阪、大阪/横浜赤レンガ倉庫、神奈川(-2003)
2000「ギフト・オブ・ホープ」東京都現代美術館、東京
1999「日本ゼロ年」水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城
1998「SO WHAT ?‐Donai ya nen!」パリ国立高等美術学校、パリ、フランス
1996「トラフィック」CAPC 現代美術館、ボルドー、フランス
         「アート・エンボディド」MAC マルセイユ現代美術館、マルセイユ、フランス
1995「今日の日本」ルイジアナ近代美術館、デンマーク 他巡回(-1997)
1994「プラトンの洞窟」カール・エルンスト・オストハウス美術館、ハーゲン、ドイツ
1993「2nd 北九州ビエンナーレ クロノスの仮面」 北九州市立美術館、福岡

主なパブリックコレクション

大阪府、京都市、茨木市、福島市、小豆島町、国立国際美術館、大阪中之島美術館、兵庫県立美術館、和歌山県立近代美術館、東京都現代美術館、金沢21世紀美術館、豊田市美術館、広島市現代美術館、高松市美術館、熊本市現代美術館、北九州市立美術館、大原美術館、札幌宮の森美術館、 TAKAHASHI Collection、カリフォルニア大学サンタバーバラ美術館、FNAC、FRAC、ルイジぺッチ現代美術館、ボローニャ現代美術館、M+

主な作品設置

2024  《生命の旅》大阪モノレール 大阪空港駅 改札外エントランス(大阪)
2021  《SHIP’S CAT (Muse) 》大阪中之島美術館(大阪)
2019  《SHIP’S CAT (Fortune) 》WeBase 広島(広島)
2018  《SHIP’S CAT (Returns) 》WeBase 高松(香川)
     《SHIP’S CAT (Totem) 》WeBase 京都(京都)
     《SHIP’S CAT (Sailor) 》長風大悦城 / Joy City(中国・上海)
2017  《SHIP’S CAT (Harbor) 》WeBase 鎌倉(神奈川)
     《SHIP’S CAT》 WeBase 博多(福岡)
2015  《サン・シスター》兵庫県立美術館 大階段下(兵庫)
2013  《ウルトラ・サン・チャイルド》Zent 敷地内(愛知)
     《スター・アンガー》小豆島町 坂手港(香川)
     《アンガー・フロム・ザ・ボトム》* ビートたけしと共作 小豆島町 美井戸神社(香川)
     《ジャンボ・トらやん(船長)》《ジャンボ・トらやん(オリーブ)》ジャンボフェリー 屋上展望デッキ
2012  《サン・チャイルド》南茨木駅前ロータリー(大阪)

主な受賞歴

2022  第57回大阪市市民表彰(文化功労)
2017   第29回京都美術文化賞
2012  京都府文化賞功労賞
2011 ​​  第21回公益信託タカシマヤ文化基金 タカシマヤ美術賞
2009  大阪文化賞 受賞
2006  第21回日本現代彫刻展 宇部興産賞
1999   咲くやこの花賞
1993   五島記念文化財団 美術新人賞 受賞
1990   第1回キリンプラザ大阪 コンテンポラリー・アワード 最優秀作品賞

主な著書

『SCULPTURES AT THE END OF THE CENTURY 1990-2003 KENJI YANOBE』 eTOKI、奈良、2024年
『SHIP’S CAT GIANT SCULPTURES OF KENJI YANOBE』 eTOKI、奈良、2022年
『SHIP’S CAT THE SCULPTURE OF KENJI YANOBE』 株式会社レーサム、東京、2017年
『新装版 YANOBE KENJI 1969–2005』 青幻舎、京都、2013年
『ULTRA』青幻舎、京都、2013年
『TORAYAN’S GREAT ADVENTURE』(Kindle Edition) テンポプレス、東京、2012年
『KENJI YANOBE 1969–2005』(PDF Edition) テンポプレス、東京、2012年
『Sun Child Project in Fukushima–208 Drawings–』(PDF)  KENJI YANOBE Supporters Club、東京、2012年
『Sun Child』 Akio Nagasawa Publishing、東京、2012年
『トらやんの世界 ラッキードラゴンのおはなし』 サンリード、京都、2009年
『トらやんの大冒険』 Akio Nagasawa Publishing、東京、2007年
『ヤノベケンジ:ドキュメント子供都市計画』 美術出版社、東京、2005年
『KENJI YANOBE 1969–2005』 青幻舎、京都、2005年