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    サン・シスター

    過去を想い, 未来を見つめる少女

    《サン・シスター》は、海が見える南を向いて希望の象徴である「輝く太陽」を手に持ち、大地を踏みしめて立つ巨大な少女像である。大きなスカートで雨宿りができたり、日傘になったりするので、人々の休息や憩いの場にもなる。1995 年の阪神淡路大震災のモニュメントとして構想され、20 年目の節目にあたる2015年に制作された。

    《サン・シスター》には、災害による苦難の日々を過ごしてきた人々の過去を想い、乗り越えてきた現在や希望溢れる未来を見守り続ける存在となるよう願いが込められている。同時に、阪神淡路大震災を乗り越えてきた地域の経験は、東日本大震災で被災した人々の慰めや未来に対する希望になると考え、《サン・チャイルド》より少し年を経た姉のような存在をイメージした。

    2014 年には《サン・シスター》のプロトタイプが制作され、京都文化博物館別館で展示された。座りながら目を閉じて深く瞑想し、立ち上がりながら手を広げて目を開く動作を繰り返し、再生の夢と希望の訪れを象徴的に表している。その後、武蔵野美術大学で行われた「オオハラコンテンポラリー・アット・ムサビ」展に出品され、地元の中学生とのワークショップも行われた。さらに、「福島現代美術ビエンナーレ2014」においても、会津地方の喜多方市の石蔵で展示され、東京国立博物館の展示デザイナー、木下史青による照明の演出が行われ評判となった。

    兵庫県立美術館の南側の大階段の下に恒久設置された《サン・シスター》は、それらの旅路が終わり、瞑想から目覚めて立ち上がっている。目前に海が見え、震源地を想起する南を向くが、同時に太陽に向かっており、 ステンレス製の衣服や「 輝く太陽」 が光を反射している。そして、《サン・シスター》と《サン・チャイルド》という2 体が一つとなって、世界中のすべての災害からの復興・再生を見守り続けている。また、愛称の募集により「なぎさ」と命名され、地元住民や海岸沿いを行き交う人々の心の風景に浸透し始めている。

    Sun Sister
    • Sun Sister
    • サン・シスター
    • 制作年 2015年
    • 素材 FRP、ステンレス、鉄、他
    • サイズ 630×450×410cm
    • 所蔵 兵庫県

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